妙心寺長慶院 セントリコン地点選抜調査
もう一コマ。
更にもう一コマ。
場所はこの切り株でした。この付近で最も環境のよい所がどこかを観察した結果、発見に至りました。お堂に近づいた白蟻を誘引するにはもってこいのこの切り株ですから、このままにして頂いて、ここにセントリコン・ステーションを設置すると非常に効果的です。
更に10分後にはここでヤマトシロアリの巣の中枢を発見致しました。
もう一コマ。
更にもう一コマ。
この巣の付近に・・・
ヤマトシロアリの侵入痕跡あり。寒くなると建物内部に営巣する可能性をしっかりと考慮に入れるべき状況です。
門にも過去から今まで断続的に通い続けている痕跡が多々ありました。数例挙げさせていただきます。
新しい食痕です。間違いなく今期のものです。
上写真の裏側にも真新しい痕跡がありました。雨の次の日で、調査日よりももう少し気温がある日の15時頃なら、11月でもここに姿があるはずです。
お顔合わせの初日にご一緒に見て頂いた杭です。この日もここには蟻道を造りなおした形跡は見当たらず、気温や水分の優先度でおしくも別の場所にいると考えられます。すぐ近くに巣の中枢を発見したので駆除のご心配は全くいりませんのでご安心を。
ここにセントリコン・ステーションがあると有効です。挙げてきました理由の他にもいくつか考慮すべき点があり、このエリアではここが最善と判断しました。
こちら側はこの2箇所のどちらかがよいです。因みにヤマトシロアリの羽蟻は5月頃の雨の翌日に飛び立ちますので、南よりの風の時が多いです。飛行能力の低い虫ですので風任せ気味に門の南側に吹き溜まり、門の下に潜り込んですぐの北側に湿気があるので、羽蟻が新しいコロニーをスタートさせるのに好都合なのです。
ここにはジャンジャン水をまいて下さい。このステーションに来てもらう事でここより北側のコンクリート部を守ることに非常に役立ちますので。
雨水の集まり方や石畳の下がヤマトシロアリの好む通り道であることなどから、この地点が有効です。
ここも同様の理由で重要な地点となります。
こちらの戸は上写真エリアから近く、かつ構造的に狙われ易いです。
侵入痕跡は有ります。表だって見えるのは古い痕跡ですが、きっと内部は今でも断続的に通い続けているものと見受けます。たくさん餌場認識しておいてどれかを一斉食害するのが行動パターンですので、神出鬼没に見えます。
ここには・・・
真新しい食痕がありました。1mm弱くらいのコンクリートの隙間を通る事が可能で、その様は少なからず見受けます。
上地点の目の前の樹木はかなり食害を受けております。
もう一枚。建材もこうなる可能性があるという事です。但し、雨が直接かかる分、外の樹木の優先度が基本的には高くなります。その一方で、天敵と出会う確率や、寒い時季の気温の影響で、建物の木材の方がヤマトシロアリにとって優先度が高くなり得るのです。
この樹木も・・・
強度が無くなる程の食害を受けております。何種類かの黒蟻のものもあると考えられますが、ほとんどヤマトシロアリが原因です。
ここも、根、石畳、堅いもの沿い、水たまりなどから、有効な地点となっております。
この樹木も・・・
ここまで空洞化していました。こうなると水の吸い上げに支障をきたして、枯れる事があります。また、上部でなくとも根がこの様にされる事でも枯れる事があります。
ここには・・・
侵入形跡あり。この角のすぐ左手は先程挙げました、巣のあったエリアです。
この辺りにセントリコン・ステーションが必須です。
ここにも・・・
侵入形跡有り。新しいです。
ここは苔の発達度合いが際だっていました。ヤマトシロアリもこの安定した湿気を活用しないはずがありません。掘り当てれば必ず確保してくるエリアです。
奥からもエアコンの排水があるようです。
ここはそう広くない入り組んだエリアですので、外側のステーションに守られる影響があります。良い地点を選べば、ステーション間隔を少し広めにとっても大丈夫です。
上写真の上側です。木の香りのする雨水が、軒下に線をつくるくらいに集まってしたたっています。
次の地点は距離を大きく開けられます。ここは構造的に侵入されやすいのでここを選抜しておくとよいです。
お顔合わせの初日に少し説明させて頂いた重要箇所です。雨どい、木の香りのする雨水がしたたる軒先、屋根の雨どいが無い一線、すぐ向こうが藪、雨水枡、雨水枡と犬走の境目等、要素が多重です。
木の香りのする雨水がしたたる+屋根の雨どいが無い一線
雨どい+雨水枡+雨水枡と犬走の境目
すぐ向こうが藪
踏んだ時に「白蟻被害によるきしみ音です。」とお話しした所の床下です。やはり白蟻被害を受けた状態の木材が、踏んだ箇所にありました。通気口から撮影しました。
表面に見える被害跡もありました。
ガレージの所です。
雨は滴らない様にできています。コンクリートはヘリの部分は隣接する土から雨水がしみこんで来た後に蒸発しにくくて土が湿りますが、これなら比較的湿らないでしょう。
上写真奥で左に曲がると、雨水が滴って来るエリアになります。しかも狭くて湿気が残り易いです。
奥が幸い土でして、ステーション埋設には適しています。ここに1本。
ガレージの北西角です。ここに1本あるとよいです。ガレージのコンクリートは分厚い事が多く、そうでない地点を選定できればそうするのがよいです。(20cmを限度に穿孔可)
コンクリート穿孔の説明です(webでは省略)。
樫の木の周辺が丁度活用し易くてよいです。埋設時にコンクリート穿孔しなくて済むだけでなく、コンクリートヘリの湿気、木の根の集蟻効果、境界壁の集蟻効果もあります。
この通路奥の所に土の部分がありますが、お貸しになられているとの事でした。もしよろしければヘリの部分に埋設させて頂けますと、コンクリート穿孔が不要になります。
尚、この北側の空き地には、ヤマトシロアリ活動形跡が旺盛にありました。
旧学生寮の北西角です。雨どい、北側の空き地に白蟻生息、という条件があり、西のお隣も特に白蟻対策はとっておられないかも知れないので、重要です。
旧学生寮南西角です。雨どい、室外機の水、側溝の出口等があり重要箇所です。この写真の奥側はコンクリート部が続く所(釜が設置してある所)なので設置しにくく、その両端に有効なステーションを設置するためにこのエリアは重要です。(複数本設置可能性有り)
すぐ真上もこの様な構造及び劣化が見られます。木の香りのする水が壁内に入り込み、白蟻を壁内へ誘導してしまいかねません。現状被害を受けていないとは考えにくいです。この日は時間切れでしたが、ご希望でしたら現状の被害調査もさせて頂きます。
この付近も1本。
上写真の上部です。木の香りのする雨水が滴ります。
雨どい付近に1本。尚、中庭はステーション間隔を広げて、特に要所となる地点のみで構わないと見受けます。
土中での水はけが悪く、元々の土壌が山中であり、腐葉土が水分をよく含んで粘土質な感じになっていると考えられます。それはやはり白蟻生息環境が整っていることを表します。
コンクリートを穿孔するか、もしくは分厚いなら長距離に渡ってステーションを埋設する事が不可能なエリア。この一辺の北端と南端に有効な地点がある事が幸いします。北側には近距離に複数本設置する可能性あり。ここに埋設しない場合の補完です。
石垣のこの様な隙間に埋め込むことも効果がありますが、お隣の所有との事。
この通気口が取り外し可能になれば床下に設置して、それも有効です。※是非ともお願いしたい所です!
一周して戻って来ました。やはりここは最重要地点の一つだと再認識しました。
旧学生寮南西角に2本設置する場合はこの2地点が候補と考えております。
もう一候補。
<選抜地点>
端辺りにコンクリート穿孔。できれば設置。
以上となります。諸事誠に、ありがとうございます。
株式会社トラスト 山下 元信
調査開始早々、30分で例の杭の付近にヤマトシロアリの巣の中枢を発見しました。